質屋の買取は得?質入れとは?名古屋の現役質店主が解説

目次

質屋と聞いて不安になる理由

質屋とは? | 質店 | 質入れ | 質預かり | 金蔵(キンゾー)

質屋とは、歴史的に長い間存在する金融サービスの一つです。私たちが提供しているサービスは主に「質入れ」と「買取」の二つに分かれますが、これらにはそれぞれ特徴的な制約があります。このため、初めて利用する方にとっては、仕組みが分からないことから「信頼できるのか」「利用が難しいのではないか」「騙されるリスクがあるのではないか」といった不安を抱くケースも少なくありません。質屋のサービスに対してこうした不安を感じるのは、質屋という業態が一般的な金融機関とは異なる独自のルールで運営されていることが影響しています。

例えば、「質入れ」も「買取」も共に利用者はお金を手に入れることができますが、同じ品物であったとしても受け取ることができる額が異なります。

「質入れ」というサービスではお金を借りることができますが利息がかかります。ただし消費者金融やカードローンと異なり返済の義務がありません。利息が発生する期間は二つの異なる方法で算出され、質屋によってどちらの方法を用いているかは変わります。また、利率は各店舗によって異なります。

このような、「店舗による」という不透明性が、利用者を不安にさせている要因の一つでもあります。

また、質屋の利用が初めてで「敷居が高い」と感じる方も多いのですが、これは一般的な質屋が取り扱う商材が高級であるというイメージや、品物に対する質屋と利用者の間にある情報の非対称性に起因します。しかし私たち質屋は高額な商品ばかりが取り扱いの対象ではありませんし、質屋のスタッフは査定のプロフェッショナルであり、品物の価値を公平に判断することが求められます。利用者は自分が所有する大切な品物を担保にしてお金を借りるため、その過程での透明性や安心感を私たちは重視します。そのためどの質屋でも、法律に基づいた正確な手続きが行われており、適正な査定が保証されているのです。

質屋が提供する二つのサービス、「質入れ」と「買取」には、それぞれ異なるプロセスと結果があります。質入れは、預けた品物を返済すれば取り戻せる一方で、買取はその場で所有権が移り、再度手にすることはできません。このように、目的に応じてサービスを選ぶことが可能であり、急な資金ニーズに対応するだけでなく、不要な物を売却して現金化する手段としても有効です。質屋を利用することで得られるメリットや安心感を理解すれば、「怪しい」「敷居が高い」という印象は薄れ、必要に応じた柔軟な資金調達方法として活用できるようになります。

そこで、このページでは名古屋の質屋 金蔵(キンゾー)の店主として長年運営を行ってきたプロの査定士が、お客様から伺ったお話や利用前の不安点などを取り上げながら、質屋の事業形態を、質屋の歴史、業務の詳細、利用者へのアドバイス、そして現代における私たち質屋の役割まで、詳細に解説していきます。

Back to top

質屋の歴史と発展

質屋の仕組みは古代から行われており、世界中でさまざまな形で発展してきました。特に日本では、鎌倉時代から存在が確認されており、庶民にとっては生活を支える金融機関として重要な役割を果たしてきました。

質屋の起源とヨーロッパへの広まり

質屋の歴史は3,000年以上前にさかのぼり、初期の質屋は中国の周王朝(紀元前1046~256年)の時代に始まったとされています。初期の頃は收(yin/イン)と呼ばれる店が貸金業として運営されていましたが、後に富裕層が仏教僧院と提携し、農民に衣服や道具などの貴重品を担保に農村部で農産物の収穫時期までのつなぎとして小額の融資を行うようになります。これらの僧院は低金利を保証し、地域経済を支える重要な役割を果たし、中国各地に資金の流れを作っていきます。

この産業は唐(618-907)と宋(960-1279)の時代にさらに繁栄し、困ったときに流動性を必要とする農民や商人にとって不可欠な金融サービスへと発展しました。中国最後の王朝、清朝(1644~1912)の時代に中国の質屋は2万5千件と爆発的に増加し、質屋業は土地よりも高い投資収益率を生んだと言われています。しかし1950年に中国人民銀行が低金利で資金の貸し出しを行った影響を受けて1500年に及んだ中国の質屋業は消滅しました。

ヨーロッパでも、質屋の歴史は非常に古く、古代ギリシャやローマ時代にそのルーツがあります。市民は洋服や貴重品を担保に融資を受けることができ、中世には質屋が広く普及しました。特にイタリアのロンバルディア地方に住んでいたロンバルド家が、ヨーロッパ全土で質屋業を支配し、融資サービスを提供していました。イタリアでは、1300年代にイギリス王が戦争資金を調達するためにロンバルド家から資金を借りたという記録もあります。しかし、後にカトリック教会が利子を徴収することを禁じたことで、イタリアのキリスト教徒は質屋業から撤退し、代わりにユダヤ人が質屋業に参入しました。ユダヤ人は高金利で貸し付けを行ったため、1462年にローマ教皇ピウス2世が「モンテ・デ・ピエタ」と呼ばれる慈善質屋を設立し、低金利での融資を提供するようになりました。

日本の質屋の起源

日本における質屋の起源は、鎌倉時代以前に遡ります。質屋は、金貸し業や、地域内での資金の融通システムである「無尽」とともに発展してきました。日本における質屋の詳細なデータは限られていますが、1884年以降の統計や大蔵省と内務省の調査によると、明治20年〜30年代には日本国内に2万5千件〜3万件の質屋が存在していたことがわかっています。しかし、現代においては、消費者金融やカードローンの普及により、質屋の数は急激に減少し、2020年には10分の1以下の2,660件にまで減少しましたしました。

このように、日本国内での質屋業の縮小には、消費者金融の台頭が大きく影響しています。消費者金融は、昭和30年代に誕生した金融ビジネスであり、無担保・無保証で消費者の信用をもとに融資を行うシステムです。一方、質屋は品物を担保にして融資を行います。この点で、消費者金融と質屋は大きく異なる特徴を持っています。

ポイント1

質屋で融資を受けるには担保が必要ですが、消費者金融で融資を受ける場合は無担保で借り入れができます。

質屋と消費者金融という文脈ではよく、お客様から、

「消費者金融での借り入れがありますがお金を借りることはできますか?」

という質問を伺いますが、質屋ではたとえ自己破産をしていても、カードローンで限度額まで借入をしていたとしても担保となる品物があればいつでもご融資可能です。

その理由は消費者金融と質屋の仕組みの違いにあります。そこで次に質屋と消費者金融の違いについてご説明します。

Back to top

質屋と消費者金融の違い

質屋と消費者金融は、どちらもお金を借りる手段として一般的ですが、仕組みや利用方法には大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、どのような場面でどちらを利用すべきかが見えてきます。

質屋と消費者金融の概要

先述の通り質屋の歴史は、数千年前の中国やローマ時代にまで遡ります。日本においても江戸時代の質屋は、主に庶民が着物や道具を担保にして生活資金を借りる手段として広く利用されていました。このように質屋の最大の特徴は、品物を担保に取ることで、返済ができなかった場合でも信用情報に傷がつくことが無いという点です。これにより、自己破産や信用の問題を抱えるリスクが避けられ、品物の価値に応じて即座に現金が手に入る利便性があります。

一方、消費者金融は、現代的な金融業態として20世紀初頭から発展しました。特にアメリカや日本では、戦後の高度経済成長期において急速に普及しました。消費者金融は、主に個人の信用情報を基に融資を行うもので、担保が不要です。しかし、信用情報が重要な審査基準となるため、過去の信用履歴に問題がある場合は審査に通らないことがあり、審査にも少し時間がかかります。また、消費者金融では返済が遅れると遅延損害金が発生したり、支払いの催促や督促が行われます。

質屋と消費者金融、融資の仕組みの違い

質屋と消費者金融の最大の違いは、融資の仕組みにあります。質屋では、担保となる物品を預け、それに基づいて融資が行われます。もし返済ができない場合は、担保品が「質流れ」となり、質屋の所有物となります。この場合、借り手には追加の返済義務が生じないため、債務超過や信用の悪化を避けることができます。一方、消費者金融では信用を基にした無担保の借り入れが一般的で、信用情報に基づいた審査を通過すれば現金が借りられますが、返済ができなかった場合は信用情報に大きな影響を与え、将来の借り入れが難しくなるリスクが生じます。

また、利息の仕組みにも違いがあります。質屋では、借りた金額に対して「質料」と呼ばれる利息が発生し、これを月ごとに支払う形です。借入額に応じて利率が異なり、借入額が多くなればなるほど利率は低くなります。質屋の利息は比較的高めに設定されているため、一般的には短期間の借り入れが推奨されます。一方、消費者金融では年利で利息が設定され、質屋に比べると利率は低いです。ただし返済が長期にわたると支払い総額が増える仕組みです。特に、消費者金融では返済が遅れると遅延損害金が発生するため、注意が必要です。

質屋と消費者金融のメリットデメリット

質屋のメリットは、信用情報に依存しない融資と、返済ができなくても品物を手放すだけで済む点ですが、金利が比較的高く設定されています。消費者金融のメリットは、担保不要で現金を借りられる点ですが、返済に失敗した際には信用情報に影響を与え、将来の借り入れに影響を及ぼす可能性があります。

総じて、質屋は急な資金調達が必要な際に物品を担保にすることで素早い借入ができ、リスクを最小限に抑えられるのに対し、消費者金融は担保不要で借り入れできる反面、信用情報に左右されるリスクがあります。それぞれの仕組みを理解した上で、利用シーンに応じてどちらが適切かを選ぶことが重要です。

ポイント2

質屋は短期利用が推奨され返済義務はありませんが、消費者金融は長期利用が可能ですが返済は必須です。

これらの理由から、質屋では信用情報に問題があったとしても融資が可能なのです。ちなみにインターネット上では、質屋と消費者金融における金利の割合の違いについての説明は多いのですが、それぞれの金利を比べたシミュレーションは少ないように感じます。そこで次に、質屋と消費者金融で借入を行った場合の利息のシミュレーションを確認してみましょう。

Back to top

質屋と消費者金融の利息とは

質屋の利息は担保の保管リスクや、偽物や盗品を持ち込まれるリスク、また、短期間でのキャッシュフローを回すための事業費用をまかなうといった理由で高めに設定されており、信用履歴に影響しません。反対に、消費者金融は比較的低い利息で融資を行いますが、信用情報のチェックや、履歴が残るリスク、多重債務のリスクや自己破産へのリスクなどが伴います。

質屋の利息は「質屋営業法」によって定められており、消費者金融の利息は「利息制限法」と「出資法」によって定められています。

質屋の利息と返済の仕組み

質屋における年間の利息上限は質屋営業法で109.5%(閏年は109.8%)で月利の上限は9%と定められているため、この割合を超えて請求されることはありません。

質屋の利息(質料)は月単位で計算されることが一般的で、利率の設定は各質屋によって異なりますが、どこの質屋でも借入金額が上がるにつれて利率は低くなります。例えば、5万円を借りた場合の利率が9%であった場合、同じ質屋で10万円を借りると7%、50万円を借りると4%、100万円では3%という計算です。

通常、質屋の利息は他の金融機関に比べやや高めですが、担保があるため返済ができなくても取り立てや催促などは一切行われません。質流れ(品物が返却されないこと)をもって債務の終了とし、追加の負担が発生しない点も大きな特徴です。また、融資額は少額であることが多いため、利用者は債務超過の心配が少ないのです。

具体的な利息計算

例えば、10万円を質屋から借りた場合、利息が月7%であれば、1ヶ月後に返済する額は10万7千円となります。これを3ヶ月続けると、21,000円の利息が発生し、合計で12万1千円を返済することになります。

消費者金融の利息と返済の仕組み

消費者金融における年間の利息上限は20%で、借入金額によって利息の上限は以下のように法律で定められています。

元本の金額が10万円未満のときの上限金利

年20%

元本の金額が10万円以上から100万円未満のとき上限金利

年18%

元本の金額が100万円以上のときの上限金利

年15%

日本貸金業協会

消費者金融を利用する際は、毎月の返済が必要で、返済期日を過ぎると遅延損害金が発生します。この遅延損害金は年間20%が上限とされ、利息とは別に支払う必要があります。また、消費者金融は「総量規制」により、借入額は利用者の年収の1/3が上限とされています。貸付金額は通常500万〜800万円程度まで可能ですが、返済が遅れると催促や督促が行われ、長期化すると支払いが増大し、最悪の場合は債務整理や自己破産のリスクも生じます。さらに、借入履歴は信用情報に影響し、将来の借入にも制約がかかる可能性があるため注意が必要です。

具体的な計算方法

例えば、100万円を年利15%で借りた場合、返済総額は115万円となります。

遅延損害金の計算方法は以下の式で求められます:

仮に、遅延損害金が20%で100万円の返済が半年遅延した場合、
計算は以下の通りです:

この場合、元金100万円に加え、通常の金利15万円と遅延損害金約10万円を支払う必要があります。

このように質屋と消費者金融では利息計算の方法や適用ルールが異なるため、自身の状況に応じた利用方法の検討が重要です。

ポイント3

質屋は債務超過の心配が無いが、消費者金融では債務整理や自己破産のリスクがあるため、リスクを考慮した借入をしましょう。

いかがでしょうか。ここまでご覧いただき、質屋の利点やシステムについて、少し理解が深まったのではないでしょうか。質屋を利用するにあたって、返済計画を立てる重要性や利息、質流れについてなど、あらかじめ知っておくべきポイントがいくつかあります。これらを把握することで、実際に利用する際に役立てることができ、安心して取引を行うことができます。

ここからは、質屋が提供するサービスについて、さらに詳しく仕組みや特徴を解説していきます。質屋の利用方法や買取と質入れの違いなど、具体的な内容を掘り下げてご説明いたします。質屋のサービスは、短期間での資金調達が可能な一方で、返済の管理が重要な側面もありますので、その点についても詳しくお伝えしていきます。

Back to top

質屋の仕組み「質入れ」とは

「質入れ」とは、「質預かり」とも呼ばれ、利用者が価値のある品物、例えばロレックスなどの高級時計、宝石やネックレス等のジュエリー、エルメスやシャネルのバッグといったブランド品、金やプラチナなどの貴金属類などを質店に担保として預け、その査定金額に応じて現金を借りる方法です。利用者が借りた金額を返済するまで、品物は質屋の保管下に置かれ、返済が完了すると預けた品物を取り戻すことが出来ます。

質屋に預けられた品物は、「質蔵」と呼ばれる特別な保管設備で管理されます。質蔵とは、質屋が担保品を安全に保管するための専用の倉庫設備で、日本の「質屋営業法」に基づき、公安委員会規則により厳格に基準が設けられています。この規則には、防火性能や防湿、防犯やネズミ対策などが含まれており、預けられた品物が安全に保管されるよう求められています。また、このような厳重な質蔵の整備にはコストがかかるため、質屋を開業する際の初期費用として1000万円〜3000万円が必要とされ、質蔵の建設や管理にも相応の費用が発生しています。

質屋はこのような設備を整備することで、利用者が安心して品物を預けられる環境を提供しています。この仕組みによって、質屋は信頼を保ちながら、顧客からの預け入れを促進する役割を担っています。

質入れの査定額と流質期限

質入れの査定価格は、質屋が預かる品物の価値に基づいて決定されます。具体的には、品物の市場価値、ブランド、状態、希少性などが査定の要因となり、質屋の査定士が市場の相場をもとに慎重に評価を行います。質入れで提供される金額は、品物の買取り価格全額ではなく、一般的には70〜80%ほどで設定されることが多いです。これは、質屋が保管コストや市場変動のリスクを考慮して価格を設定しているためです。

質屋での質入れに際しては「流質期限」と呼ばれる返済期日が設けられています。この期限を過ぎると、返済がなされない限り、担保品の所有権が質屋に移ることになります。この流質期限は融資の際に質屋から渡される「質札」という預かり証に記載されており、「質屋営業法」によって定められており、質契約の成立から通常は3ヶ月とされています。

つまり、質入れをした日から三月という期限内に返済が行われなければ、品物が質屋の所有物となりますが、同時にこれは「三月未満」で契約を解除することが許可されていないということです。ただし、この「三月」という言葉は必ずしも厳密に「三ヶ月間」という範囲では無い二つの解釈があることに注意しなけばいけません。質屋の流質期限までのカウント方法には二つの計算方法があります。

「満月計算」と「暦月計算」の二種類の計算方法

この「3ヶ月」という期間の数え方には「満月計算」と「暦月計算」の2つの方法が存在します。

1. 満月計算

満月計算では、質入れを行った日付から次の月の同じ日付までを1ヶ月と数えます。例えば、1月1日に質入れをした場合、次の2月1日が1ヶ月目の終了日となり、3ヶ月目には4月1日が期限となります。満月計算では以下のようにカウントされ、以下のように月の利息が発生します。

1ヶ月目

1月1日〜2月1日
(1月1日に1ヶ月目の利息が発生)

2ヶ月目

2月2日〜3月1日
(2月2日に2ヶ月目の利息が発生)

3ヶ月目

3月2日〜4月1日
(3月2日に3ヶ月目の利息が発生)

この方法では、毎月同じ日付に利息の発生日が設定されるため、利用者にとって計算がしやすいメリットがあります。

2. 暦月計算 

暦月計算では、質入れの行われた月の月末を1ヶ月目の締めとし、以降も各月末が締め日となります。例えば1月10日に質入れをした場合、1ヶ月目は1月31日までとなり、2ヶ月目が2月28日(または29日)に、3ヶ月目が3月31日に終了します。暦月計算では以下のようにひと月がカウントされ、以下のように月の利息が発生します。

1ヶ月目

1月10日〜1月31日
(1月10日に1ヶ月目の利息が発生)

2ヶ月目

2月1日〜2月28日
(2月1日に2ヶ月目の利息が発生)

3ヶ月目

3月1日〜3月31日
(3月1日に3ヶ月目の利息が発生)

この方式は各月末が支払い期日となるため、月末を基準とした利息管理が可能です。

満月計算と暦月計算のどちらが適用されるかにより、返済日や流質期限の設定が異なります。満月計算では返済猶予が暦月計算に比べて若干長くなり、品物の保管期間が延びるケースもあります。そのため、質入れを行う際には、どの方法で計算されるのかを質屋に確認しておくことが重要です。この計算方法の選択によって利息の発生タイミングや返済スケジュールが変わるため、利用前の確認が必要です。

ポイント4

質入れの査定額は買取価格の7~8割程度で、質屋によっては返済期限が異なるので必ず事前に質屋に確認しましょう。

なお、私たち名古屋の質屋金蔵(キンゾー)では満月計算を採用しておりますが、毎月月末はお客様の給料日などが重なるためとても混み合います。

中には期日に間に合わず、

「来月末であれば支払いの目処が立っているのですが何とか期間の延長はできませんか?」

というご相談を受けることがあります。質屋では流質期限の延長はいつでも行うことが出来ますのでもちろん大丈夫ですとお答えします。そこで次に期間延長の方法について詳しくご説明します。

Back to top

流質期限の延長方法とその影響

質入れの流質期限までに元金と利息を返済できない場合、通常、品物は「質流れ」となり、所有権が質屋に移ります。しかし、もし次の月に返済の目処が立つのであれば、延長してもらう方法があります。この場合、期限までに利息を支払うことで、流質期限を1ヶ月ごとに延ばせるのです。

例えば、流質期限が4月1日の場合、延長希望の月数に応じて利息のみを支払い、その月数分、品物を引き続き保管してもらうことが可能です。

流質期限の延長は1ヶ月単位で行われ、延長する月数ごとにその分の利息を支払えば、品物を保管し続けてもらうことができます。以下の表は、10万円を月利7%で借りた場合の延長費用と返済総額の例です。

このように、延長を繰り返すと支払総額は増加し、借入金額に対する利息の負担が大きくなります。そのため、延長を決める際には、返済可能なスケジュールを立てることが重要です。

延長を選ぶ際の考え方

品物を「どうしても手放したくない」と感じている場合には、延長して期限を確保し、最終的に返済して品物を取り戻す方が良いでしょう。一方、返済に迷いがある品物の場合、延長に伴う利息負担が増えるだけでなく、最終的に返済しない選択肢もあるため、延長し続けることはおすすめしません。質屋の利息は品物を保管してもらうための費用として発生しますが、返済義務は発生しないため、返済しなくても信用情報への影響や法的追求はありません。

質入れの延長は便利ですが、返済負担が膨らむため、計画的な返済が求められます。どうしても手放したくない品物の質入れであれば、延長も有効な手段です。しかし、返済が困難な場合や、手放すかどうか迷いのある品物ならば、返済額を増やさずに潔く流質期限に手放す方が賢明でしょう。

ポイント5

質屋で返済期限の延長は可能ですができるだけ短期間で返済しましょう。

とはいえ、私たちの店舗を訪れるまで品物を手放すかどうかで悩む方は多いのも事実です。私たちはよく、お預けいただく品物について、「1ヶ月を遡って考えた時に、一度以上使用した、もしくはその品物について考えた事はありますか?」と質問します。そこで使用したことがある、もしくは考えた事があるとお答えいただいた場合は質入れを、考えた事も使用した事も無いという場合は買取をご案内するようにしてします。そこで次に質屋での買取についてご説明します。

Back to top

質屋の買取はお得か?

質屋の買取サービスは、利用者が不要となった高価な品物を即現金化出来る方法です。このサービスの特徴は、原則、品物を持ち込み、専門査定士がその価値を市場に基づき評価し、利用者が提示された価格に納得すれば即時に現金を受け取れる点にあります。買取対象は質入れ同様一般的に、高額で価値の高い時計やジュエリーなどが多いです。そして買取が成立すれば、手間なく現金化が完了します。

ここで、多くの方が疑問に感じている「リサイクルショップなどの買取専門店と比べて質屋の買取はどの程度お得か?」という疑問についてお答えします。

一概にどちらが得かを決めるのは難しいですが、対象となる品物や店舗により適切な選択が変わってきます。質屋は日常的に高額品を扱うため、査定の目が肥えており、特に高級時計や宝飾品といった、価値が高く精密な査定が求められる品では優位性があります。そのためこれらの品物を確実に評価してもらうには質屋が適しています。一方で、リサイクルショップは家具や家電といった日用品をはじめ、楽器や、専門店ではパソコンなど、品数はかなり幅広く取り扱っています。したがって、安価なものや家電・家具を売る場合はリサイクルショップが適している場合が多いでしょう。

結果として、質屋とリサイクルショップのいずれが「お得」かはケースバイケースであり、目的と品物の種類に合わせて使い分けることで、より最適な取引が可能になると言えます。

なお、品物の販売に関してはリサイクルショップや買取店よりも質屋の方がお得に手に入れられることがあります。これは先ほどお伝えした質入れ品の査定価格が買取価格よりも安価であるためです。

ポイント6

買取を選ぶ場合は質屋とリサイクルショップ両方を視野に入れて一番高い値付けをしてくれる店舗を選びましょう。

Back to top

質屋利用の注意点とアドバイス

質屋の金利は消費者金融に比べて高めですが、これは保管の費用とリスクを考慮した上での設定であり、短期利用を基本としています。このため、債務整理や自己破産といったリスクが少なく、信用情報に影響がある方でも気軽にご利用いただける点が大きなメリットです。

品物を手放さずに現金を得たい方には「質入れ」、不要になった品物を処分したい方には「買取」が適しています。なお、買取に関してはリサイクルショップや買取専門店でも査定を受けると良いでしょう。数店舗で比較し、最も高い査定額の店舗を選ぶことで、お得に取引が可能です。

質入れを利用する際は、「満月計算」か「暦月計算」どちらの方法で利息計算がされるかを確認しましょう。また、返済計画を立て、流質期限に間に合うよう準備することが大切です。もし期日までに返済が難しい場合は、延長したい月数分の利息を支払うことで期日を延ばすことができるので、電話やメール、または直接来店してご相談いただければ、状況に応じた対応が可能です。

質屋は、庶民の生活を支える急場の資金調達先として長年親しまれてきましたが、近年では「高級品専用のサービス」というイメージも根付いています。しかし私たち名古屋の質屋 金蔵(キンゾー)は、昔から変わらず皆さまの「いざ」という時に対応できるよう、ダイヤモンドや宝飾品だけでなく、スマホ、カメラ、電動工具など、多くの人が持っている物も対象とし、幅広い品物を査定しています。もちろん高額な品物も多数の取扱がありますのでご相談ください。基本的には現金を直接お渡ししていますが、多額の現金を持ち歩くことが不安な方には銀行の口座へお振り込みをすることも可能です。

ご利用の際には免許証やパスポートなどの顔写真付きの身分証明書をご用意ください。

そして現在、私たち名古屋の質屋 金蔵(キンゾー)では初めて質屋をご利用いただくお客様に安心してご利用いただけるよう、初月利息無料のキャンペーンを行っています。

いざというときの資金が必要な場合は、まず私たちにご相談ください。長年、金蔵(キンゾー)で査定士を勤めた店主がお客様の品物を大切に保管させていただき、最適な方法をご提案させていただきます。

Back to top

あわせて読みたい記事