質入れとは?質屋での買取は得?名古屋の現役質店主が解説
質入れとは何か?
わかりやすく解説
品物を担保に審査なしで即日現金が借りられる仕組み。手順・コツ・査定基準・よくある質問まで、名古屋の質屋「金蔵」が徹底解説します。
質入れとは何か?わかりやすく解説

質入れ(質預かり)とは、品物を質屋に担保として預け、その価値に応じてお金を借り入れる仕組みです。銀行や消費者金融のように信用情報による審査は一切なく、品物さえあれば誰でも即日現金を手にすることができます。返済が完了すれば預けた品物は戻ってきますが、どうしても返済できない場合でも取り立てや督促は行われず、担保の品物が質屋の所有となる「質流れ」で取引が完結します。これが質入れの最大の特徴であり、消費者金融やカードローンとは根本的に異なる仕組みです。
質屋には「質入れ・質預かり」と「買取」の2つのサービスがあります。品物を手元に戻したい場合は質入れ、手放してよい場合は買取を選ぶのが基本的な考え方です。
質入れと買取の詳しい違いや、消費者金融・カードローンとの比較、返済シミュレーション、無金利キャンペーンについては「質屋でお金を借りる質預かりの流れとコツ」で詳しく解説しています。このページでは、実際に質入れを行う際の具体的な手順とコツ、どんな品物でいくら借りられるかをご紹介します。
質入れの歴史とその発展
質屋の質入れや質預かりとは古代から行われている行為で、世界中でさまざまな形で発展してきました。特に日本では、鎌倉時代から存在が確認されており、庶民にとっては生活を支える金融機関として重要な役割を果たしてきました。
質屋の起源とヨーロッパへの広まり
質屋の質入れという仕組みは3,000年以上前に始まる古い歴史を持ちます。初期の質屋の質入れは中国の周王朝(紀元前1046~256年)の時代に始まることで知られています。初期の頃は收(yin/イン)と呼ばれる店が貸金業として運営されていましたが、後に富裕層が仏教僧院と提携し、農民に衣服や道具などの貴重品を担保に農村部で農産物の収穫時期までのつなぎとして小額の融資を行うようになります。これらの僧院は低金利を保証し、地域経済を支える重要な役割を果たし、中国各地に資金の流れを作っていきます。
この産業は唐(618-907)と宋(960-1279)の時代にさらに繁栄し、困ったときに資金を必要とする農民や商人にとって不可欠な金融サービスへと発展しました。中国最後の王朝、清朝(1644~1912)の時代に中国の質屋は2万5千件と爆発的に増加し、質入れという質屋業は土地よりも高い投資収益率を生んだと言われています。しかし1950年に中国人民銀行が低金利で資金の貸し出しを行った影響を受けて1500年に及んだ中国の質屋業は消滅しました。
ヨーロッパでも、質屋の質入れの歴史は非常に古く、古代ギリシャやローマ時代に始まることで知られています。市民は洋服や貴重品を担保として質入れをし融資を受けることができ、中世には質屋が広く普及しました。特にイタリアのロンバルディア地方に住んでいたロンバルド家が、ヨーロッパ全土で質屋業を支配し、融資サービス(質入れ)を提供していました。後にカトリック教会が利子を徴収することを禁じたことで、1462年にローマ教皇ピウス2世が「モンテ・デ・ピエタ」と呼ばれる慈善質屋を設立し、低金利での融資を提供するようになりました。
日本の質屋の起源
日本において質屋の起源は、鎌倉時代以前に始まることで知られています。質屋は、金貸し業や、地域内での資金の融通システムである「無尽」とともに発展してきました。日本における質屋の詳細なデータは限られていますが、1884年以降の統計や大蔵省と内務省の調査によると、明治20年〜30年代には日本国内に2万5千件〜3万件の質屋が存在していたことがわかっています。しかし、現代においては、消費者金融やカードローンの普及により、質屋の数は急激に減少し、2020年には10分の1以下の2,660件にまで減少しました。
質屋で融資を受けるには担保が必要ですが、消費者金融で融資を受ける場合は無担保で借り入れができます。質屋ではたとえ自己破産をしていても、カードローンで限度額まで借入をしていたとしても担保となる品物があればいつでもご融資可能です。
質屋と消費者金融・カードローンの詳しい違いや利息の比較シミュレーションについては「質屋でお金を借りる質預かりの流れとコツ」をご覧ください。
質入れの流れ

品物の持ち込み
まず、質屋で質入れを希望する場合の手順は、質屋に借入希望の品物を持ち込みます。買取の場合は宅配や配送、出張サービスを展開している質屋もありますが、質入れの場合は質屋の店舗に直接赴くことが一般的です。
査定
質屋の専門スタッフが品物を査定し、その価値を確認します。質入れの査定額は買取価格の7〜8割の金額で、品物の市場相場価格や品物の状態、付属品の有無などが考慮されます。時計、ブランド物などは付属品が全て揃っている場合は高額査定の対象になりますし、ダイヤモンドなどは鑑定書が付いているものの方が高額査定となります。スマートフォンやゲーム機、工具なども担保として預けられるため、少額の融資を希望する方でも安心して利用することができます。
融資額の提示
査定が終わり次第、品物の価値に基づいた融資可能金額が提示されますが、必要でない場合は限度額いっぱいまで借りる必要はありません。
契約
提示金額、融資金額にお客様が同意すれば、契約が成立し、質札と呼ばれる預かり証を質屋から発行されます。
返済期限は通常3ヶ月で、最終返済日のことを質屋用語で流質期限と呼びます。返済不可能な場合は担保として預けた品物の所有権は質屋に移り、質流れによる品物の売却で質屋は貸付金の回収を行います。ただし流質期限までにかかった金利分のみを支払うことでこの期限を月単位で伸ばすことができます。利息の計算方法・返済シミュレーション・延長の詳細は「質屋でお金を借りる質預かりの流れとコツ」をご覧ください。
現金の受け取り
契約が完了すると、即日現金を受け取ることができます。この際質札も同時に渡されますので失くさないように保管しましょう。仮に完済期日までに質札を紛失してしまった場合、品物を戻すことが出来ないかというとそうではありません。紛失した旨を質屋にメールや電話などで連絡し、各事業者からの対応を仰ぎましょう。
以上が質屋における質入れの流れと仕組みです。基本的には身分証明書と担保となる品物があればどなたでもご利用いただくことができます。これらの仕組みは質屋営業法に基づき法的に取引が行われておりますので安心してご利用いただけます。
金利0円の借入方法について
質入れをスムーズに行うための手続きのコツ

質屋における質入れサービスを利用する上での流れは先ほどお伝えしましたが、各流れの中でのちょっとしたコツについて、実際の質店に務めるスタッフからアドバイスをさせていただきたいと思います。
品物を担保として預ける場合、査定も融資も質店に直接訪れなければいけないケースが多いのですが、買取りはオンライン査定を行っている質店が多いです。そして、質入れの査定額は買取金額の約8割程度のため、事前にスマートフォンを使用したオンライン買取査定を行ってもらい、質入れをした際に借りられる金額の目安などを知ることが可能です。ただし、写真では見えなかった傷などがある場合は査定額が下がることもありますので、あくまでも参考の範囲にとどめておいた方が無難です。
お客様が質店に持参した品物を担当者に提示して査定を受けます。その際、品物の状態が綺麗であれば綺麗であるほど査定の金額が上がる可能性があります。とりわけ、工具など建築現場などで使用するものを質入れする際は、おがくずなどは取り除いておいた方が良いです。また、ケースや付属品の有無も査定額に影響する可能性がありますのでご自宅にある場合は査定の際に一緒に提出するようにしましょう。
提示された融資額に納得した場合、公的身分証明書などを質店に提示し、契約となります。この時に質店から質札と呼ばれる商品の預かり証が発行されます。この質札に記載されている流質期限(担保となる品物の所有権が質屋に移る期限)が、質店の定休日や土日などにかぶっている場合はどうしたら良いのかを質問してみましょう。質店側から、流質期限が定休日や祝日などに重なっている場合は前倒し、後倒しなど日にちを指定してくれるはずですが、経験の浅い担当者などの場合はそこまで気が回らないことも考えられます。
上記質札と共に現金が即座に手渡されます。質入れした品物があまりにも高額なものである場合はセキュリティ上、口座振込になることもありますし、高額な現金を持ち帰るのが心配だという方にも振り込みで対応をしてくれるケースがありますので、希望があれば伝えてみると良いでしょう。
質入れに必要な書類と査定基準
質入れに必要な書類

質入れに必要な書類は写真付きの公的身分証明書だけです。保険証などの写真がないものは不可となります。品物の保証書や購入証明書、鑑定書などがあると査定はよりスムーズに進みます。
査定基準

質屋ではお客様の担保となる品物の価値を査定します。査定の基準は以下の通りです。
質入れに関するよくある質問

質入れの利用に年齢制限はありますか?
多くの質店では、20歳以上の方が利用対象ですが、東京都など一部の地域では18歳以上であれば利用可能です(高校生は利用できません)。未成年者は基本的に質店を利用できませんが、親権者が代理で手続きを行う場合は可となる場合があります。
どのような物品が質入れできますか?
質屋で担保になるものは貴金属、ブランド品、電子機器、ジュエリーなどが一般的ですが、質店によってはパソコン、スマートフォンや工具なども取り扱う場合があります。取り扱う品物は質店にとって異なるため、自分の手元にある品物が査定対象となるかどうかは事前に電話などで確認しておいた方が良いでしょう。参考:「質預かりにおすすめの品を名古屋の質屋が紹介!こんなものでお金が借りられる?」
返済ができない場合はどうなりますか?
質店における返済が出来ないという状態は2パターンあります。一つ目は元金も金利も返済出来ないという状態です。この場合は質入れした品物は質店の所有物となり、質流れとなります。二つめは流質期限が来た時に元金と金利全て支払うことは出来ないが、金利分だけであれば支払えるというケースです。この場合、流質期限をここから最大3ヶ月間伸ばすことが出来ますので、その間に金策をし、支払える時に元金分とそれまでにかかった金利を支払えば質入れした品物を取り戻すことは可能です。なお、消費者金融などと異なり取り立てや催促は一切行われません。
質入れする品物として車などを預けることは出来ますか?
はい可能です。車を担保として預かる質店は存在します。ただし、車を担保にした融資をする業者は質屋ではなく貸金業者です。そのため、利率などが異なります。中には悪徳な車金融業者も存在していますので注意が必要です。
質屋に偽物や盗品を持ち込むとバレますか?
はい。バレる確率はかなり高いため、偽物や盗品を持ち込むことは絶対に避けるべきです。高額な時計などは購入した人の履歴がメーカーに保存されているケースがあります。また、質店は警察と密な連携をとる仕組みになっているため、担保として預けた品物が盗品であった場合はその場で通報されるケースもあります。詳しくは「質屋に質入れや買取を依頼するとバレる3つのこととは?名古屋の質店主が徹底解説」で説明しています。
金額別おすすめ質入れ品とは?

ここでは当社で取り扱いのある品物と金額の目安をお伝えします。

金で10万円を借りたい場合
金を質入れした場合のご融資額は金の重さ × 金の相場の92%です。例えば2024年7月10日の金の相場は1kgバー建て1g当り13,422円です。そのため、10gの金をお持ちいただいた場合の融資価格は123,482円となります。

プラチナで5万円を借りたい場合
プラチナを質入れした場合のご融資額も金と同じくプラチナの重さ × 相場の92%です。そのため2024年7月10日のプラチナ相場は1kgバー建て1g当り5,566円ですから、10gのプラチナをお持ちいただいた場合の融資価格は51,202円となります。

ロレックスで100万円を借りたい場合
ロレックスは市場でも人気が高くスポーツモデルなどは買取価格が100万円を超えることも珍しくありません。各モデル別の価格推移を見ても2023年から2024年にかけてその価格は右肩上がりに上がってきています。そのためモデルにもよりますが相場次第ではロレックスで100万円の融資は比較的容易であると言えるでしょう。

iPhoneで8万円を借りたい場合
人気のiPhoneはモデルが新しければ新しいほどその価値も高くなります。新品未使用のiPhone16 Pro MAXモデルは一般的な買取価格が20万円を超えることもあります。そのため、新しいモデルのiPhoneで使用感があまりないものであれば5万円〜8万円の融資を受けることができます。ただし、スマートフォンは日常的に使用するもののため、短期間でのお預けをおすすめします。

工具で2万円を借りたい場合
工具は一つ一つの評価価格は比較的低くなります。電動ドリルなどは数千円程度ですが、点数を多くお持ちいただくことで数万円の金額に達することは容易です。例えば1点3,000円の工具を7点ほどご用意いただけると2万円を借入することができます。

ブランド品で10万円を借りたい場合
ブランド品と一口に言っても様々で、バッグから財布、ネックレスや指輪なども含まれます。一流ブランドのものは1点で10万円の価値を持つものもありますが、大抵数万円程度の価値の品物のお取引が多いという印象です。そのため、まずは希望している借入金額10万円を先にお伝えいただき、お手元のブランド品を事前にいくつか査定させていただくと目標の値段に到達しやすくなります。なお、完済していただければ同じブランド品を何度も質入れしていただくことが可能ですのでお気軽にご相談ください。
こちらで取り上げているもの以外にも当質屋金蔵ではカメラなども取り扱っております。お手元の品物が査定の対象となるかどうかご不明な方はお気軽にご相談ください。
まとめ:質入れは手順を知れば怖くない
質入れとは、品物を担保に審査なしで即日現金が借りられる仕組みです。手続きは「持ち込み→査定→融資額提示→契約→現金受け取り」の5ステップで完結し、必要なものは写真付き身分証明書と担保の品物だけです。返済ができない場合でも取り立ては行われず、信用情報にも影響しないため、急な資金需要に対応できる柔軟な選択肢です。
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