質屋の利息計算方法の注意点を名古屋の質店主が詳しく解説

目次

質屋の利息とお金の借り方とは

質屋の利息とお金の借り方

質屋で提供される「質入れ」サービスは、急な資金ニーズに迅速に対応できる方法です。質屋における質入れの仕組みはシンプルで、時計やジュエリー、ブランド品、貴金属などの品物を担保(質)として預け、その質の価値に応じた現金を借りることができるというものです。消費者金融やカードローンと異なり、質屋の質入れには審査や督促がなく、返済の義務もありません。なぜなら、質屋は預かった品物(質)を再販することで融資額を回収するためです。

例えば、ある質店にロレックスなどの高級時計を質入れした場合、質屋はその相場価値を査定します。質時計の相場が50万円と計算された場合、最大で50万円までの範囲で借り入れが可能です。ただし、質入れ時の査定額は、品物の市場価値の全額ではなく、多くの場合70〜80%程度に減額されます。つまり、質入れをしてロレックスで50万円の借り入れが相場ということは買取金額は60万円程度であるということです。質屋によっては買取った金額の実績を掲載しているところもありますので、その金額を目安として質入れの査定額なども予想することができます。(ただし、金額はその日によって変動することも忘れてはいけません。)

質屋で買取と質入れの査定額に違いがある理由は、質入れの特性に起因しています。買取の場合、その場で品物の所有権が質屋に移り、即座に再販されますが、質入れの場合は一定期間、品物(質)を質屋が保管する必要があります。この質保管期間中の相場変動リスクや管理費用があるため、質入れの査定額が買取に比べて低めに計算されるのです。

質入れのもう一つの特徴は、品物(質)が質流れになるまでの「流質期限」が存在することです。通常、質入れの期間は3か月間が設定されており、この期間内に元金と質料(利息)を質屋に支払うことで、預けた品物(質)を取り戻すことができます。もし、流質期限を過ぎても返済できなかった場合、預けた質は質屋の所有物となり、再販されますが、その場合でも追加の請求や債務は発生しません。

質屋の質入れの最大の魅力は、借り手の信用情報に影響を与えないことです。銀行ローンや消費者金融では、借り入れに際して信用審査が行われ、信用履歴に影響を与えますが、質入れの利用ではそのような心配はありません。これは、信用情報に不安がある方でも安心して質入れが利用できる点です。

ただし、質入れの利用には利息がかかります。そこで今回の記事では、質屋における利息の仕組みと注意点、利息が発生するタイミングや、なぜ質屋では利息がかかるのか、などについて、具体的なシミュレーションを交えながら名古屋の質屋 金蔵(キンゾー)の質店主がわかりやすく解説していきます。

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利息の仕組みをわかりやすく解説

質屋で質入れを利用する際には、預けた質に対して発生する「利息」(質料)が必要です。質屋では、借入金額に応じて利息が計算され、月ごとに設定されます。質入れ利息の計算はシンプルながらも借入金額や借入期間によって異なります。

〜シミュレーション〜
「10万円を利息7%で

1ヶ月間借りる場合の計算」

1ヶ月の利息は7,000円です。

この場合、1ヶ月後に借りた金額(10万円)と利息(7,000円)を合わせて107,000円を返済することで、品物を取り戻すことができます。

そして質屋では、利息が借入金額に反比例してされ、借入金額が高くなるほど利率が低くなります。たとえば、シミュレーションの例と同じ質屋で50万円を借りる場合は利息が 4% に、100万円の場合は 3% に下がるといった具合です。

消費者金融の利息は利息制限法に基づき定められていますが、質屋の利息は、質屋営業法という法律で厳格に規定されており、年利の上限は109.5%(閏年は109.8%)と定められています。この規制により、借り手は法外な利息を支払うリスクを避けることができるため、安心して利用することができます。

質屋の利息に関する注意点

質入れの際の利息計算に関して、利用者が注意すべき点が二つあります。

まず、質入れの利息は日割り計算を行わないという点です。多くの金融機関では、借入期間が短い場合、日割りで利息が計算されることがありますが、質屋の場合は基本的に1ヶ月分の利息が一律で請求されます。例えば、10日後に返済をしても、30日後に返済をしても、その質屋に支払う利息は同じです。したがって、質入れで短期間の借入を考えている場合でも、1ヶ月分の利息がかかることを念頭に置いておく必要があります。

次に、質入れの利息が発生するタイミングは質屋ごとに異なるという点です。質屋によって、質入れ利息の発生日や支払いサイクルが異なるため、取引を開始する前にその条件を確認することが重要です。一般的には、借入日を起点にして1ヶ月後に利息の支払いが求められますが、質屋によっては、借入日付に関わらず月末で締め日を設けているところもあります。この質入れの借入期間の設定に関しては次の章で詳しくご説明します。

短期借入のすすめ

質店の質入れを利用する際には、借入期間が長引くと支払う利子が増えるため、短期間での返済が推奨されます。大切な品物を担保に預けている場合、できるだけ早めに元金と利息を返済して品物を取り戻すことが賢明です。特に、利息は月単位でかかるため、返済を先延ばしにしても利息が積み重なるだけでなく、手元に残るお金が減少するリスクが生じます。

また、質入れの利子の負担を減らすためには、事前に返済計画を立てることが重要です。質入れ時に利息の支払いサイクルや金額を確認し、返済可能な範囲内で利用するよう心がけましょう。質屋は、借り手が返済できなかった場合でも品物を売却して損失を補填できるため、追加の債務が発生することはありませんが、品物を失うリスクはもちろん残ります。

質屋を利用するメリット

質屋 | 質店 | 質入れ | 質預かり | 名古屋 | 金蔵(キンゾー) | メリット

質入れを利用する最大のメリットは、信用審査が不要で即座に融資を受けられる点です。銀行や消費者金融のように、信用情報のチェックが行われることはなく、品物さえ担保にすればその場で現金を手に入れることができます。また、質入れは借入金額が高額であるほど利子が低くなるため、資金調達の必要がある際には大変便利です。

さらに、質屋では返済ができなかった場合のリスクが限定的です。担保品(質)が質流れ(質屋の所有物)になったとしても、借り手は追加の債務を負うことなく、債務整理の必要性や、督促や催促を受けることもありません。そのため質入れの利用は安全であり、特に短期間の資金調達手段として有効です。

以上のように、質入れを利用する際には利子の計算方法や返済計画に気を配ることが重要です。利子は月単位で発生し、借入金額が高額になるほど利率は下がりますが、短期間での返済を心がけることで、利子負担を最小限に抑えることができます。

では次に質入れの返済と借入期間の数え方、流質期限についてわかりやすく解説していきます。

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質屋の返済期間と流質期限

質屋 | 質店 | 質入れ | 質預かり | 名古屋 | 金蔵(キンゾー) | 返済期限 | 流質期限

質屋でお金を借りる際に、非常に重要なポイントとなるのが「流質期限」です。この期限は、質入れされた品物(質)の所有権が質屋に移る最終的な日付を指します。この期限は質屋営業法に基づき、以下のように定められています。

“ 流質期限は、質契約成立の日から三月未満(質置主が物品を取り扱う営業者であり、かつ、その質に入れようとする物品がその取り扱つている物品である場合においては、一月未満)の期間で定めてはならない。 ”
e-gov法令検索 質屋営業法(昭和二十五年法律第百五十八号)

流質期限は通常3か月に設定されています。具体的には、質契約成立日から3ヶ月以内に元金と利息を合わせて返済すれば、預けていた品物を取り戻すことができます。しかし、この期限を過ぎると預けた品物の所有権が質屋に移るため、品物は返却されません。この状態を「質流れ」と呼びます。質流れとなった場合、追加の返済義務は発生しませんが、担保品を取り戻せないリスクがあるため、流質期限の管理は非常に重要です。なお、預けた品物が流れる日がいつであるか、月利はいくらであるかなどの情報に関する一覧は、入質(融資)時に質屋から渡される「質札」に記載されていますのでよく確認しましょう。

返済期限の延長

返済が難しい状況であっても、「利上げ」と呼ばれる仕組みを活用すれば、返済期限を延ばすことが可能です。金融機関における「利上げ」とは利息が上がることを指しますが、質屋業界での「利上げ」は、元金の返済はせずに利息のみを支払うことで流質期限を延長できるシステムを指します。これにより、質入れ後、元金を返済できない場合でも、利息を支払うことで品物の質流れを防ぎ、さらに時間を確保することができます。ただし、利上げを繰り返すと利息が累積していくため、支払い負担が増える点に注意が必要です。質入れの際の利上げは1ヶ月単位で延長することができます。

〜シミュレーション〜
「1月1日にiPhoneを預けて


10万円を7%の利息で借りた計算」

3ヶ月後の4月1日に12万1千円を支払えば預けたiPhoneは取り戻せます。

万一お金が用意できなかった場合、7千円だけ支払って期日を5月1日に延長することができます。

流質期限の計算方法

流質期限の計算方法には異なる2つの方式があり、「満月計算」と「暦月計算」が使われます。これらの計算方法は返済期限の違いに影響を与えるため、利用者は質入れの利用前にどの方式が適用されているのかを確認しておくことが重要です。

 1. 満月計算

満月計算は、質入れ日を基準にして、その翌月の同じ日付までを1ヶ月とする計算方法です。

〜シミュレーション〜
「満月計算で質入れをした日が4月10日」

1ヶ月目の期限は5月10日
2ヶ月目の期限は6月10日
流質期限は7月10日となります。

この方式では、日数が正確に1ヶ月ずつ加算されるため、返済期限が毎月の同じ日付になります。

2. 暦月計算

一方で暦月計算とは、質入れした日がどの日であっても、その月の月末が1ヶ月目の締め日とされます。

〜シミュレーション〜
「暦月計算で質入れをした日が4月10日」

1ヶ月目の期限は4月30日
2ヶ月目の期限は5月41日
流質期限は6月30日となります。

この方式では、月末で計算されるため、毎月の返済期日は月末に設定されます。

計算方法の違いによる影響

満月計算と暦月計算のどちらが適用されるかによって、返済日が変わってくるため、質入れの際には質屋にどの計算方式が採用されているかを確認することが重要です。特に、返済のタイミングが1日でもずれると、次月分の利息が発生したり、質流れが生じたりするリスクがあるため、質入れの計算方式の違いを理解しておくことが大切です。

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質屋で利息がかかる理由

質入れの際に発生する「利息」には、利用者が預けた品物(質)に対するリスク管理や質店の運営コストなど、さまざまな理由があります。質店は、預けられた質を担保として現金を貸し出す金融サービスの一種ですが、他の金融機関と異なり、利用者の信用情報をもとに貸付を行うのではなく、物品の価値に基づいてお金を貸し出すという特徴があります。この性質から、質入れには高い金利が設定されることが多いのです。

担保品のリスク管理

質店が提供する融資は、利用者が品物(質)を担保として質入れすることと引き換えの借り入れとなります。質入れの際は、銀行や消費者金融のような信用調査を行わないため、借り手の信用リスクは質店にとってあまり大きな問題ではありませんが、代わりに品物の価値が返済能力の代わりとなります。しかし、品物の相場価格は時間の経過や市場の動向によって変動するため、質店はそのリスクを管理する必要があります。

例えば、借り手がブランド品や貴金属を質店に質入れした場合、その商品の市場価値が時間と共に下落する可能性があります。質店は借り手が返済できなかった場合、品物を売却して融資した資金を回収することになりますが、その際に市場価値が大幅に下がっていると損失が発生します。このリスクをカバーするために、質店は高めの利息を設定しており、借り手に負担を分担してもらうのです。

保管コスト

質入れで預けられる品物は、一定期間質蔵(しちぐら)と呼ばれる専用の保管庫で厳重に保管されます。質蔵は、どのような倉庫でも良いかというとそうではありません。公安委員会の定めた厳しい基準をクリアした耐火構造の保管庫を質店を運営する建物と同じ敷地内に設置する必要があるのです。以下に公安委員会によって定められた保管庫の基準の一部をご紹介します。

防湿及び防水措置

第5条

保管設備には、空気調節のための設備を設けるなど、防湿上有効な措置を講じなければならない。

盗難予防設備

第6条

保管設備の開口部には、堅ろうな扉等を設置し、かつ、複数の施錠設備を設けるなど侵入防止上有効な措置を講じなければならない。

ねずみ等による被害の防止

第7条

保管設備の出入口以外の開口部には、ねずみその他の質物の保管上有害な動物の侵入を防止する措置を講じなければならない。

質屋の質物保管設備の基準を定める規則 平成20年1月31日 公安委員会規則第1号

質入れされた高価な宝石や貴金属、ブランド品などは傷が付かないような工夫をする必要があるため質入れの際の保管にかかるコストは無視できないものです。各質店は、これらの品物の安全を確保しつつ、保管するためのスペースや設備などのコストをカバーするため、借り手に対して利息を設定しています。

流動性と運転資金

質店は、借り手から返済がなされない場合、質入れされた品物(質)を売却して融資額を回収します。しかし、売却までに時間がかかることや、品物の売却がすぐに現金化できるわけではない点を考慮すると、質店にとっても資金の流動性を確保することは重要な課題です。質店は、売却がスムーズに進まないリスクや、質入れ品の価値が思ったほど高くない場合に備えて、安定的な運転資金を確保する必要があります。

質入れというビジネスモデルは、短期間で現金を貸し出し、返済期限内に元金と利息を回収する仕組みですが、その間のキャッシュフローを維持するためには、利息が必要です。借り手が元金を返済するまでの間、質店は利息を受け取ることでキャッシュフローを維持し、他の利用者に対しても迅速に現金を貸し出すことができるのです。

偽造品を預かるリスク

質入れの際に質店が高い利息を設定する理由の一つは、偽造品を預かるリスクがあるためです。質店は、預かる品物(質)の真偽を判断するために専門の査定士が査定を行いますが、偽造品が混入する可能性は常に存在します。もし偽造品を預かり、後にそれが判明した場合、質店は大きな損失を被ることになります。このようなリスクに対処するため、質店は高めの利息を設定し、運営のリスクをカバーしているのです。

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質屋の利息についてのまとめ

質店が質入れサービスを提供する際に利息を設定する理由には、リスク管理や運営コストのカバーが含まれます。品物(質)の価値が時間とともに変動するリスクや、保管コスト、偽造品のリスクにも対処せねばなりません。また、短期間での資金回収が質店のビジネスモデルを支える重要な要素となっています。このような理由から質入れの利息は高めに設定されることが一般的なのです。

質入れで設定される利率は借入金額が高くなればなるほど低くなります。また、月の利息が発生する日にちのルールは満月計算と暦月計算という二つの計算方法があるため、事前に質入れをお願いする質店に確認するようにしましょう。ただし、質入れの利用は信用調査が行わず、品物と身分証明書があれば誰でも即時に資金を手に入れる事ができることは多くの人にとって大きな利点となるでしょう。

こうした質入れの特性を理解した上で「借入は短期間」と決めて、計画的に質店を利用することをおすすめします。

私たち名古屋の質屋金蔵では、初めて質屋を訪れる方や、一度も質入れを利用したことが無いという方でも気軽にご利用いただけるよう、このページをご覧いただいた方限定で、初回利息0円のキャンペーンを行っています。質入れでお預かりできる品物も幅広く取り扱っています。プラチナなどの貴金属、ダイヤなどの宝石、カルティエなどのブランド小物、エルメスやシャネルといったブランドバッグや財布、ロレックスやオメガなどの腕時計などが質預かり品の主な対象です。

質入れでお預かりできる品物はこれら高額な品物だけではありません。今この文章を読んでいただいているiPhoneなどのスマホや、カメラ、カメラレンズ、電動工具なども質入れの際の質として取り扱っています。急な資金が必要な場合は是非一度ご相談ください。あなたの「いざ」という時に対応できるよう年中無休で営業を行っております。

ご来店の予約をしていただく必要は無く、営業時間内に直接、店舗までご来店いただいたお客様順にご案内させていただきますが、ご不明な点はFAQ(よくある質問)にまとめております。

お電話やLINE、メールにてご質問などももちろん承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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