質屋に買取依頼した品が偽物だった場合バレる?名古屋の質店主が詳しく解説
質屋に持ち込まれる偽物の種類
質屋の店頭には日々さまざまな者が訪れ、貴金属やブランド品といった多様な物が持ち込まれますが、その中には業者や個人が買い取った偽物が含まれていることも事実です。質屋に持ち込まれる偽物は、高級ブランド品や貴金属、時計、宝石、ジュエリーなど、多岐にわたる品目に及びます。偽物が質屋に持ち込まれるケースでは、偽物と本物が同じように見えるため質屋は偽物を見極めるための専門知識や技術を備え、厳しい査定基準を持っています。質屋での取引や、ネットの投稿の場において、多くの方が持っている疑問として
というものがあります。今回の記事では、このような質問に対して名古屋の質屋 金蔵(キンゾー)の現役査定士が、偽物に対する質屋の立ち位置から、質屋がブランド物の偽物を見分けるポイント、偽物の販売にかかわる法律や、偽物にまつわるトラブルに巻き込まれないための対処法について詳しく回答します。
偽物とは何か?
偽物とは、本物に似せて作られた模造品やコピー品の事を指します。偽造品には、正規品に見せかけるための刻印やロゴ、製造番号が付けられている場合があります。しかし、それらは私たち質屋の専門家の目から見ると不自然であり、鑑定を行うことで本物との違いが明らかになります。たとえば、高級時計であればロレックスやパテックフィリップなど、ブランドバッグではエルメスやシャネルがターゲットとなることが多いですが、ここでご紹介した品物以外にも多くの模造品が存在しています。
偽物の種類
質屋に持ち込まれる偽物には、以下のような種類があります。
- 高級時計の偽物は、外観だけでなく内部構造にも本物らしさを模倣していることがあります。ロレックスのコピー品は、シリアルナンバーなどの刻印の場所や透かしの王冠の質など素人の目視だけでは判断が難しい場合があります。質屋の査定士が後ほど詳しくご説明します。
- ブランドバッグ エルメスやルイヴィトン、シャネルといったブランドバッグは人気が高い分、売ることを目的とした個人間取引で、多くの偽物が出回っています。これらは素材や縫製の仕方に違いがあり、質屋の専門家が見れば一目でわかります。これらブランド物の偽物を見分けるポイントも後ほどご説明します。
- 宝石やジュエリー ダイヤモンドやプラチナの指輪、ダイヤモンドなども偽物が多い分野です。これらは購入時に心配な点を事前に確認しないと、後々トラブルになる可能性があります。ダイヤモンドの模造品としてキュービックジルコニアと呼ばれるダイヤモンドによく似た合成石が有名ですが、ダイヤモンドが持つ親油性やダイヤモンドが持つ光の屈折性などを利用するとわかります。質屋ではどのようにこれらを見極めているかに関しても後ほどご説明します。
- 質屋に持ち込まれる、金や銀などの貴金属も偽物が多い品目です。純金の代わりに金メッキが施された商品などは比重や刻印などで見分けることができます。
- 小物やアクセサリー キーケースや財布、ネックレスなどの小物も偽物の対象です。これらは、比較的安価に購入できるため、偽物が作られる頻度が高いです。特に、高級ブランドのトレンドアクセサリーなどは偽物が多く出回っています。
偽物が増加する理由
偽物が市場に出回る理由として、インターネットやフリマアプリの普及が挙げられます。特に最近では、個人間取引が活発化し、購入者が商品を直接確認せずに取引を行うケースが増えています。これにより、質屋に持ち込まれる偽物も増える傾向にあります。また、高級ブランド品の値段も高騰しているため、手軽に偽物を購入しようとする消費者心理が影響しているとも言えるでしょう。
質屋には、高価な商品を預けて融資を受ける人や、品物を売却する人が訪れます。しかし、偽物が持ち込まれる場合、その多くは持ち主がそれを偽物だと知らないケースがあります。購入時に偽物であることを見抜けなかったり、オークションサイトやフリマアプリで購入した商品が実際には偽物だったりすることが原因です。たとえばエルメスのシェーヌダンクルなどは近年フリマアプリに数多く出品されています。箱なども本物そっくりに作られており、刻印などもされていますが、一つ一つのパーツや留め具のサイズが異なっていたり刻印がズレていたりしており、私たち質屋の査定士から見ると、ネット上の写真だけでも偽物と見抜くことが出来ます。また、本物の価格を知る人であれば数万円で購入出来る訳が無いこともすぐにわかるのですが、知識の無い方からすると「安く買える」と思ってしまい、意図せずに偽物を手にしてしまうこともあるかもしれません。
偽物を持ち込む背景
偽物が質屋に持ち込まれる背景として、以下のような状況が考えられます。
知らずに購入した場合
メルカリなどのフリマサイトやオークションで購入した商品が実は偽物だったというケースです。購入者自身が偽物と気づかずに質屋に持ち込むことがあります。
意図的な詐欺行為
偽物と知りながら、本物として質屋に売却しようとする悪質な行為です。
プレゼントや遺品整理の一環
受け取った商品が偽物である場合、持ち主が真偽を知らないまま質屋に持ち込むことがあります。
偽物と知りつつ持ち込むケースと偽物を回避するポイント
偽物と知りながら質屋に持ち込むと、商標法違反、詐欺行為、不正競争防止法違反などに該当する可能性があり、質屋はそのようなケースに厳しく対応します。ただし、質屋では偽物を手にしたとしてもお客様に真贋を伝えることはできません。なぜなら品物の鑑定が出来るのはあくまでも各ブランドショップだけだからです。そのため、質屋に偽物を持ち込んで真贋の鑑定は出来ないということは覚えておきましょう。偽物を購入してしまうリスクを減らすためには、信頼できる店舗やメーカーの公式ショップで購入することが重要です。また、購入時には、商品の鑑定書や保証書が付属しているかを確認することも大切です。特に、高額商品を購入する際には、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
質屋の役割
質屋は、品物の鑑定や買取を通じて、偽物が市場に流通するのを防ぐ役割を果たしています。質屋は商品の価値を適切に判断し、本物である場合、各質屋の基準を満たしている商品のみ取引を行います。そのため、質屋は消費者にとって信頼できる存在であり、安心して利用できる場所です。質屋は買取業務の他に「質預かり」と言って品物を預かって融資を行うサービスも展開しています。預かった品物の査定額に応じて現金を貸付しますが、利用者からの支払いが滞った場合はこれらの品物を販売することで融資金の回収を行います。これを質屋用語で「質流れ」と呼び、質屋によってはこれら質流れ品を自社で販売することがあります。多くの方が「質屋の質流れ品」に魅力を感じ、相場価格よりも安くブランド品などを手に入れられるのは、私たち質屋が持つ高い査定能力によるものであり、「質屋の品物は安く購入出来て信用できる」と多くの人から言われる所以です。
このように、偽物が質屋に持ち込まれる背景や種類について理解することで、消費者としての知識を深め、偽物を購入するリスクを減らすことができます。
質屋に偽物が持ち込まれた場合の対応
質屋に偽物が持ち込まれた場合、どのように対応するかを知ることは非常に重要です。偽物が混入することで質屋の信頼性が損なわれるリスクがあるため、私たち質屋では適切な手順を踏んで対応することが求められます。ここでは、質屋が取る対応策や関連するプロセスを詳しく解説します。
持ち込み時の初期対応
質屋に商品が持ち込まれると、まず写真付きの身分証明書の提示を求められます。身分証明書の種類はたくさんありますが、顔写真付きのもの以外は不可です。本人確認が済んだ後、品物の査定を行います。この査定プロセスでは、品物の状態や素材、ブランドの正規品かどうかを確認します。たとえば、高級時計やブランドバッグの場合、製造番号や刻印が正規品の基準に合致しているかを確認するのです。質屋はこの際、専門的な鑑定ツールを使用し、商品が本物であるかを慎重に判断します。
偽造品が判明した場合の対応
偽物であると判断された場合、質屋は直ちに以下のような対応を取ります
お客様への説明はしない
持ち込んだ人に対し、偽物である理由や、品物が偽物であることは説明しません。査定結果として、品物の買取り、もしくは質預かりの対象とならないことのみを伝えます。
取引の中止
偽物であることが確定した場合、その品物を対象とした取引は行いません。これは、偽造品の取引を防ぐための重要な措置です。
場合による警察への通報
明らかに違法行為が疑われる場合(たとえば、盗品や組織的な偽造品の販売に関連する場合)、その場で警察に通報します。質屋には地域の警察から盗品のリストが定期的に配布されるため、盗品や組織犯罪に関わっていると判断した場合はただちに警察に通報します。この対応は、質屋が社会的な責任を果たすために必要です。
質屋で偽物がバレる理由
質屋に持ち込まれた品物が偽物であることが判明するのには、いくつかの明確な理由があります。質屋では、経験豊富な鑑定士やスタッフが日々多くの品物を査定しており、その中で偽物を見抜くための高いスキルと知識を活用しています。質屋の鑑定士やスタッフは、日々さまざまなブランド品や貴金属、時計などを取り扱っています。そのため、本物と偽物の微妙な違いを見分ける能力が非常に高いのです。また、質屋では、品物の真偽を判断するために最新の鑑定ツールが使用されます。
さらに質屋は、各ブランドの本物が持つ特徴を熟知しています。模造品のよくある特徴として、本物に比べて質感が劣っていたり、正規品の刻印と比べてズレやミスがあったり、縫製が乱れていたり仕上げが不均一など、これらの特徴は、熟練の鑑定士であれば短時間で見抜くことができます。
質屋が持つ偽造品検出の重要性
質屋は偽造品の流通を防ぐために、以下のような方法で査定を行い、偽物と判断するため、様々な努力を行っています。
鑑定ツールの使用
本物と偽物を区別するために以下のような機器を駆使します。
- ルーペ
刻印や素材など肉眼では見えない細部を確認するために使用します。 - X線検査機
金やプラチナなど貴金属の成分や成分量(純度)を測定することも可能です。 - 磁石
品物によっては磁石に反応するもの、反応しないものもあり、正規品や模造品の簡易検査でも使用します。 - 紫外線ライト
ダイヤモンドの蛍光性や、ライトを当てることで変化する品物の反応を確認するのに使用します。 - デジタルスケール
重量の計測や本物との比較、比重値による素材の判断や確認などで偽物をみつけることもできます。
これらのツールなどを用いることで、肉眼では確認できない細部まで鑑定が可能になります。
情報収集
正規品の特徴や市場動向について常に最新の情報を収集します。情報収集にはブランドの製造状況などについても詳しく調べています。たとえば、ロレックスはコロナ禍で製造ラインが止まってしまい、新品の購入にはウェイティングリストに名を記載して長期間待つ必要がありましたが、終息してからは新品のロレックスを手に入れるまでに長い時間は要しません。このような市場の動向などについても日々情報を仕入れているのです。
スタッフの教育
私たち質屋の査定士は、日々数多くの本物と向き合っています。そのため、ほんのわずかな違和感を感じた場合、その品物に対して然るべきチェックポイントを確認することで、真贋の判定をスピーディーに行うことがでます。買取店やリサイクルショップなどはこれらがマニュアル化されているところもあり、入社して日が浅いスタッフでもある程度の査定は出来るかもしれませんが、精巧に作られたコピー品などは判断が困難な場合があり、査定本部の専門の査定士に査定の依頼を行う必要がある場合は査定結果が出るまでに時間がかかるケースもあるでしょう。
偽物を防ぐための取り組み
質屋は偽物が市場に出回らないよう、次のような対策を講じています。
- 取引履歴の記録
どのような品物が持ち込まれたか、詳細な記録を残します。 - 顧客情報の確認
個人情報の記載内容が正確であることを確認します。 - 関連機関との連携
警察やブランド会社と協力し、偽物が流通しないよう努めます。 - 防犯カメラの設置
どのような人物が、いつ何時に来店し、どのような品物を持ち込んだかを確認出来るような体制を整えています。
持ち込み前にできる確認事項
偽物を質屋に持ち込むリスクを避けるためには、購入時に以下のポイントを確認することが重要です。
購入先の信頼性
フリマアプリやオークションサイトではなく公式店舗や正規代理店で購入することを優先する。
商品の保証書
二次流通品の場合は極力鑑定書や保証書が付属している商品を選ぶ。(ブランドによっては新品でも保証書の発行をしていない場合もあります)
専門家の意見
購入した品物に不安がある場合はそのブランドショップに赴き、品物の鑑定をしてもらう。
質屋は偽物を防ぐために厳格な基準を設けていますが、それだけでなく、お客様が安心して利用できる環境を提供することにも注力しています。お客様が持ち込んだ商品が偽物だった場合でも、適切な対応を行うことで、質屋全体の信頼性を高めています。偽物が持ち込まれた場合の対応は質屋の信頼性を大きく左右します。適切なプロセスを踏むことで、お客様と質屋の間に信頼関係が構築され、長期的な取引が可能になります。
質屋が偽物を見分けるポイント
ここまでで、質屋が偽物に対してどのような立場を取っているかについてご説明してきました。質屋が偽物を見分ける際には、高度な専門知識と経験が必要です。偽造品の製造技術が進化する中で、質屋が持つ鑑定能力はますます重要になっています。この章では、質屋が用いる具体的な鑑定ポイントとそのプロセスについて解説します。
鑑定の基本ステップ
質屋が偽物を見分けるプロセスは、主に以下のようなステップで進行します。
外観のチェック
ブランド品や時計の偽物は、外観にわずかな違いが見られることがあります。たとえば、エルメスのバッグでは縫製の均一さや刻印の正確性が重要です。また、ロレックスの腕時計では、文字盤のフォントや針の形状なども確認します。
素材の確認
本物のブランド品には、高品質な素材が使用されています。一方、偽造品では、コスト削減のために劣悪な素材が用いられることが多いです。金やプラチナの場合は刻印の有無に加えて純度を確認するために、専用の測定器が使用されることもあります。
刻印とシリアルナンバーの検証
正規品には、特定の基準に基づいた刻印やシリアルナンバーが付けられています。これらが正規の基準に合致していない場合、偽物である可能性が高いです。特に時計や宝石では、このチェックが重要です。
動作確認
高級時計などの場合、動作確認が行われます。たとえば、ロレックスの時計は機械式であり、その動作音や針の滑らかな動きが本物の特徴です。一方で、偽造品は動作に違和感があることが多いです。また、高級時計の場合は修理の履歴も影響します。内部修理を正規店に依頼していない場合は内部のパーツが正規品と異なるものが使用されていることがあります。これらの品物は改造品とみなされ、価値が著しく下がってしまいます。そのため高級時計の修理は必ず正規店に依頼するようにしましょう。
ブランド別の鑑定ポイント
ブランドごとに偽造品の特徴は異なります。以下に代表的なブランドとその鑑定ポイントの一部を紹介します。
エルメス
エルメスの偽物を見抜くためには、以下のポイントに注意して査定を行います。エルメスは非常に精巧な製造技術を持つブランドであり、偽物も年々そのクオリティが向上していますが、以下の方法で本物と偽物を区別する手助けができます。
ロゴと刻印
- ロゴの字体
エルメスのロゴは「HERMÈS」と正確に刻印されており、文字間隔やフォントが一定です。偽物では、字体が微妙に異なったり、不自然なスペースが見られることがあります。 - 「Made in France」刻印
正規品では、「Made in France」の刻印が正確で、エンボス加工でくっきりと見えます。偽物は刻印が浅い、またはかすれたように見えることがあります。
素材
- レザーの質感
エルメスの製品は、トゴ、ブッフル、シェーブルなど、高品質なレザーを使用しています。本物は触り心地が滑らかで柔らかい一方、偽物は粗い感触の場合があります。 - 内部素材
本物のエルメスバッグは内部素材にもこだわりがあります。偽物は安価な素材が使われていることが多く、見た目や触り心地が本物と異なります。
縫製
- 均一なステッチ
正規品はハンドステッチによる滑らかな縫製が施されています。偽物ではステッチの長さが均等でない、糸がほつれているなどのケースがありますが、機械で縫われたようなまっすぐなミシン縫いも偽物と疑うポイントです。
金具
- 金属部分の仕上げ
エルメスの金具は高品質で、重みがあり、滑らかな仕上げが特徴です。偽物は金具の塗装が粗い、または軽量な素材が使用されていることが多いです。 - 刻印のチェック
金具部分にも「Hermès」や「Made in France」などの刻印がありますが、偽物ではこれらが不正確な場合や刻印が無い場合があります。
シリアルナンバー
- 内部スタンプ
エルメスのバッグには、製造年と職人を示すシリアルナンバーが刻印されています。このスタンプは見やすく、適切な位置に配置されています。偽物では、ナンバーが間違っていたり、刻印が不自然な場合があります。 - 製造年コード
エルメスの製造年コードはローマ字一文字で記されますが、正しいかどうかを確認するため、エルメスの製造年表と照らし合わせます。
付属品
- 保存袋やボックス
本物の保存袋やボックスは高品質で、エルメスのロゴが正確に印刷されています。偽物の内袋は縫製が雑で、ロゴの色が薄いことがあります。また、近年のものは箱にブラックライトを当てるとエルメスのロゴが浮かび上がりますが古いものはこの限りではありません。また、箱のロゴの下部に「FAUBOURG SAINT-HONORE」の記載がある箱がありますがこちらは偽物ではありません。パリの1号店を表す文言です。 - 保証書
エルメスは保証書を発行しません。
価格
エルメス製品が正規品よりも著しく安い場合、それは偽物である可能性が高いです。市場価格を確認し、極端に安価な商品には注意してください。
ロレックス(時計)
ロレックスの偽物を見分ける方法は、以下のポイントを確認することで精度を高めることができます。専門家に鑑定を依頼するのが最も確実ですが、自分でチェックする際の参考にしてください。
見た目で確認する
- 文字盤のロゴや刻印
ロレックスのロゴや文字盤の刻印は非常に精密です。偽物は印字が粗い、彫りが浅い、またはフォントが異なることがあります。 - 秒針の動き
本物のロレックスは「スムーズに動く」秒針が特徴です。偽物は秒針が「カチカチ」と動くことが多いです(ただし、一部の偽物はこの点を模倣することがあります)。 - 日付表示
日付表示があるモデルでは、日付の数字が本物はレンズ越しに拡大されて見えます。偽物は拡大率が低かったり、数字が不鮮明だったりします。 - ガラス素材
本物は耐傷性の高いサファイアクリスタルを使用していますが、偽物は安価なガラスを使う場合があり、細かい傷が目立つ場合があります。 - 透かし
文字盤を覆うガラスケースの6時の位置に特殊な技術で刻印されたロレックスを象徴する王冠の透かしが確認出来ます(ただし、古いモデルや一部のモデルにはありません)。この刻印は非常に繊細で肉眼では確認出来ないことがありますが、この刻印がはっきりと見えるものや刻印が雑なものなどは偽物の可能性が高いです。 - リファレンスナンバーとシリアルナンバー
ブレスレットを外すと、ロレックスの正規品は特定の形式でリファレンスナンバーと呼ばれるモデルを特定するための番号と、シリアルナンバーが刻印されています(ただし、現行モデルのシリアルナンバーは6時側の文字盤の見返り部分に刻印されています)。このナンバーはそれぞれ時計の6時側と12時側といった所定の場所に刻印されているため、それぞれのナンバーが特定の場所に刻印されていない場合は偽物と判断されます。
重さを確認する
本物のロレックスは高品質な素材を使用しているため、ずっしりとした重みがあります。偽物は安価なステンレスなどが使用されていることがあり、本物のような重厚感が無いことも特徴的です。
販売ルートを確認
- 価格が異常に安い
市場価格より大幅に安いロレックスは偽物の可能性が高いです。 - 信頼できる販売元か
正規店や認定された中古販売店で購入することを推奨します。オンラインオークションや個人売買では注意が必要です。
ルイ・ヴィトン
ルイヴィトンの偽物を見分けるには、以下のポイントを確認することで正確性を高められます。偽物は年々精巧になっていますので、疑わしい場合は専門店に相談するのが最も安全です。
ロゴやモノグラムのチェック
- ブランド名
ルイ・ヴィトンのブランド名を記載する刻印の多くは4行から成っており、上から®️、LOUIS VUITTON、PARIS、made in 〇〇と記載されています。このブランド名のフォントが異なっていたり、インクにムラや掠れがあるものは偽物の疑いがあります。 - ロゴの字体と配置
ルイヴィトンのロゴ("LV")やモノグラムパターンは、非常に正確で対称的です。偽物では字体が歪んでいたり、不自然に配置されていることがあります。 - モノグラムの柄の連続性
本物は柄が完璧に連続するようにデザインされています。特に縫い目やバッグのエッジ部分で柄が途切れている場合は偽物の可能性があります。 - カラーの正確性
モノグラムやダミエ(格子柄)の色は鮮明で均一です。偽物は色が濃すぎたり薄すぎたりします。
縫製の品質
- 縫い目の均等性
本物のルイヴィトンは縫い目が均一で、どの部分も丁寧に縫われています。偽物は縫い目が曲がっていたり、長さが不揃いなことがあります。 - ステッチの数
本物は特定の箇所に規定のステッチ数がある場合があります。例えば、ハンドルの接続部にはステッチが規則的に配置されています。
素材の品質
- キャンバス素材
本物のルイヴィトンのモノグラムキャンバスは、しっかりしていて耐久性が高いです。偽物は硬すぎたり柔らかすぎたりすることがあります。 - 革の質感:本物のヌメ革は滑らかで、使い込むほどに色が深くなる特徴があります(エイジング)。偽物は最初から不自然に暗い色をしていることが多いです。
- 匂い
本物のルイヴィトンには特有の高級革の香りがあります。一方、偽物は化学薬品の匂いがすることがあります。 - 金具のチェック
刻印の品質:金具部分に「Louis Vuitton」や「LV」と刻印されていることが多いですが、本物は刻印が鮮明で深いです。偽物は浅かったり、ぼやけた刻印になっています。 - 重さと質感
本物の金具はしっかりした重量感があり、質感も滑らかです。偽物は軽く、金メッキの仕上げが雑で、メッキと金属の間に気泡が入っていることもあります。
シリアルコードの確認
- 場所と形式
ルイヴィトンの製品にはシリアルコードが隠されています。このコードは生産国や製造年月を示しており、規則的な形式になっており、最初の二桁が製造国を、続く4桁が製造年月を表しています。2021年からICチップが内蔵されるようになったため、このコードが無いものもあります。しかしこのICチップ入りの偽造品なども出回っていることから注意が必要です。 - 偽シリアルコードの例
偽造品には不規則なコードや存在しない形式が使われることがあります。公式サイトや専門家の情報を参照して確認しましょう。
購入時の付属品をチェック
- 紙袋や箱、保存袋:本物の付属品は高品質で、ロゴや文字が正確です。偽物では薄い生地や安っぽい箱が付属していることがあります。
- 保証書
ルイヴィトンは通常、紙の保証書を発行しません。
偽物を見抜く際の困難
偽造品の中には、非常に精巧に作られているものもあり、見分けが難しい場合があります。特に最近では、技術の進歩により、本物と見分けがつかないレベルの偽物も登場しています。これらの品物はスーパーコピーと呼ばれ、これらの偽物の中にもN級品、S級品、A級品というランクが存在しています。左からランクが下がっていくため、N級品が最も精巧に作られています。過去にはエルメスの元従業員を含む集団がバーキンの偽物を製造、販売し、2億円を超える売上をあげて利益を得たという話もあり、特許庁から発表されている文面によると、OECD調べでのブランド品の偽物の世界における流通額は2016年の時点で55兆円を超えると言われ、コロナ禍を経て更に加速したと言われていることからこの金額は更に増えている可能性があります。このように偽物の数は増加の一途を辿り、品質も年々高くなっていることから、真贋の見極めが非常に困難になっています。
偽物の売買に関する法律
偽物の売買は法律において厳しく規制されており、どのような状況であれ、違反した場合には重い罰則が科される可能性があります。特に質屋のような店舗では、偽物を扱うことが許されないため、慎重な対応が求められます。本章では、偽物の売買に関連する法律とその影響について詳しく解説します。
商標法による規制
商標法は、ブランドや製品の商標権を保護するために制定されています。偽造品は、この商標権を侵害する行為に該当します。具体的には、以下のような行為が商標法に違反するとされます。
- ブランドロゴや名称を無断で使用した商品を製造、販売する行為
- 偽物であることを知りながら取引を行う行為
- 偽物であることを知りながら取引を試みる行為(みなし侵害行為と言い、フリマアプリやオークションなどに出品するだけでも罪に問われます)
商標法第78条によって、違反した個人には以下のような罰則が科される可能性があります。
- 懲役
5年〜10年以下の懲役 - 罰金
500万円〜1000万円以下の罰金
また、商標法第82条によって法人として違反した場合は上記の罪に加えて更に以下のような罰則が課される可能性があります。
- 罰金:3億円以下の罰金
質屋は、これらの規定を遵守するため、偽物の取り扱いを厳格に禁止しています。
刑法における詐欺罪
偽物を販売したり、それを本物であるかのように偽って質屋に持ち込む行為は、刑法における詐欺罪に該当する可能性があります。詐欺罪が適用されるケースとしては、以下のような状況が考えられます。
- 偽物の商品を本物と偽って販売した場合
- 偽物の商品を質屋に預けてお金を得ようとした場合
詐欺罪に問われた場合、刑法第246条第1項によって以下のような刑罰が科されることがあります。
- 懲役
10年以下の懲役
質屋が偽物の品物を発見した場合、場合によっては警察に通報する義務が生じます。
不正競争防止法違反
不正競争防止法では偽物のブランド品に似せて作られた商品を譲渡、貸し渡し、これらのために展示、輸出入する行為を禁止しています。たとえば以下のような状況が考えられます。
- 物のブランド品の販売
- 偽物のブランド品を販売目的で海外で購入
不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号によって、違反した個人には以下のような罰則が科される可能性があります。
- 懲役
5年以下の懲役 - 罰金
500万円以下の罰金 - またはその併科
質屋が遵守すべき法律
質屋業を営むためには、法律を厳守することが求められます。以下は、質屋が偽物の売買を防ぐために従うべき主な法律です。
質屋営業法
古物営業法
これらの法律を守ることで、質屋は正規品のみを扱う信頼性の高い取引を実現しています。
偽物を販売した場合のリスク
偽物を販売することは、単に法律違反にとどまらず、以下のようなリスクを伴います。
ブランドイメージと売上の低下
偽造品が市場に出回ることで、ブランドの信頼性が損なわれるだけでなく、ブランド品そのものの売上にも大きく影響を及ぼします。
顧客とのトラブル
偽物を購入した顧客がクレームを起こす可能性があります。
法的措置
ブランドから訴訟を起こされるリスクがあります。
質屋では、これらのリスクを回避するために、商品の真偽を厳しく確認する体制を整えています。偽物の売買は、商標法や刑法に違反する重大な行為であり、厳しい罰則が科される可能性があります。質屋はこれらの法律を遵守し、偽造品を市場から排除する役割を果たしています。消費者自身も、偽物を購入しないための知識を身につけることが重要です。偽造品問題に対する適切な対応は、質屋と消費者の双方にとって重要な課題なのです。
質屋に持ち込んだ品物が偽物だった場合
質屋に偽物が持ち込まれることは避けられない課題ですが、適切な対応と防止策を講じることで、偽造品の流通を抑制し、お客様との信頼関係を築くことが可能です。最後に、これまで解説した内容を総括し、偽物に関するリスクを減らすためのポイントを整理します。
偽物を持ち込まないために
消費者が偽物を質店に持ち込まないためには、以下の点に留意する必要があります。
信頼できる販売先から購入する
ブランド品や高級品を買う場合はどこでもいいというわけではなく、公式店舗や正規代理店を利用することが本物を購入する最善の方法です。フリマサイトやオークション、販売者が不明の通販のセール品は、商品の真偽が不明な場合が多いため、特に注意が必要です。つまり、品物を
保証書や鑑定書を確認する
本物の高額商品には、正規品であることを証明する保証書や鑑定書が付属していることが一般的です。ただし、前述の通り、保証書の発行をしていないブランドなどもあります。そのため、保証書が無いからといって品物が偽物であるとは限りません。
購入前に専門家に相談する
d高級時計やブランドバッグなど、専門的な知識が求められる商品を購入する際には、鑑定士などの意見を事前に求めるのも有効な手段です。
質屋が果たす役割
質店は、偽造品の流通を防ぐだけでなく、顧客にとって安心して利用できる取引環境を提供する重要な役割を果たしています。
まず、持ち込まれた品物の真贋を判定するために質店は専門的な知識と鑑定ツールを活用し、商品の真贋を厳格にチェックします。しかし仮に品物が偽物であったとしてもその理由やどのような点で偽物と判断したかなどの説明をお客様に行うことはありません。では、質店でブランド品の買取や預かりを断られたからといってその品物が偽物であるかというとそうではありません。各質店では取り扱う品物の基準を明確に定めています。そのためたとえ本物であったとしてもその基準以下の場合は買取や預かりを断られることがあります。ブランド品や高級時計などの真贋判定を行って欲しい場合は各ブランドショップ、もしくは専門の鑑定士に依頼するようにしましょう。
偽物を持ち込むことには、法的なリスクが伴います。特に意図的に偽造品を売却しようとした場合、詐欺罪や商標法違反、不正競争防止法違反などの罪に問われることになります。そのため、偽造品と知っていて質店に品物の販売を行うことは絶対にやめましょう。
私たち質店では、このような記事を通じて消費者の方に法的リスクについて説明し、偽物を取引しない姿勢を明確にし、偽造品の流通を防ぐことで、ブランドの価値や市場の健全性を守る役割を担い、業界全体への貢献や法的リスクの対処を行っているのです。
偽物問題を回避するためのポイント
お客様側でも偽造品を購入しないための努力が求められます。まずはブランド品や高級品の基本的な特徴を知って偽物を見抜き、商品知識を高めることをおすすめします。また、市場価格よりも極端に安い商品は、偽物である可能性が高いため、価格の異常性に注意しましょう。そして、購入する場所や販売者の評判、評価を確認し、信頼性の低い相手からの購入を避けるようにするだけでもブランド品の偽物にまつわる予期せぬトラブルの発生を避けることができます。
結論として質店は、偽造品問題に対する知識と対策を持つ専門家です。お客様が安心して利用できる取引環境を提供し、質の高いサービスを提供することを使命としています。お客様が持ち込む商品に対して適切な対応を行い、質屋業界全体の信頼性を向上させています。偽物問題は、質屋業界だけでなく、消費者やブランドにも影響を及ぼす重大な課題です。質店が厳格な基準を設け、顧客との信頼関係を築くことで、偽造品の流通を防ぎ、業界全体の健全性を維持することができます。一方で、消費者も偽物を購入しないための知識を身につけ、適切な取引を行う努力が必要です。
質屋と消費者が協力して偽物問題に対処することで、安全で信頼性の高い市場を構築し、ブランド価値を守ることができます。これが、質屋が果たすべき重要な役割であり、未来への貢献といえるでしょう。
名古屋の質店主よりご挨拶
このページの記事を書いたのは、名古屋の質屋 金蔵(キンゾー)で15年以上査定を行ってきた運営統括責任者です。私は、サービスの質や対応の丁寧さに気を配り、安心してご利用いただけるサービスを作り出すことに注力してきました。質店には品物を売り、お金を手にいれる方法の他に、ブランド物などを預けて現金を借り受け、その後、返済をすると預けた物を返品してもらえる質預かりと言うサービスがあります。質預かりで融資を受けることは非常に簡単で、消費者金融等と違う点は、審査や返金の請求などは一切必要無く、預ける品物次第では大きなお金を誰でも借りることができるメリットがあることです。もちろん融資を受けた金額自体に対して毎月の利息はかかりますが、お客様に安心して質店の利用をしていただけるよう、はじめて当店をご利用いただく方に、質預かり、質入れによる金利は初月無料とさせていただいております。返済方法はかなり柔軟で、返済のコツがわかればお得に質店を使っていただくことができます。
お客様の今、すぐに急な出費に対応しなければいけない、すぐにでも解決しなければいけない資金的な問題がある場合に備えて金蔵(キンゾー)には定休がありません。買取に関しては宅配のサービスなども行っております。サービスの利用などについてご不明点がありましたら、営業時間内に以下まで電話、メール、LINEにてお気軽にご連絡ください。
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